
大切な方が亡くなられた後、遺品整理を進める際に多くの方が直面するのが費用の問題です。
特に1DKという間取りの場合、どの程度の費用を見込めばよいのか、相場感がわからず不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
2026年現在、1DKの遺品整理費用は一般的に50,000円から180,000円が標準相場とされています。
この記事では、遺品整理の相場に影響する要因から、実際の料金内訳、費用を抑えるコツまで、専門家の知見をもとに詳しく解説してまいります。
1DKの遺品整理は50,000円から180,000円が標準相場

1DKの遺品整理にかかる費用相場は、現在50,000円から180,000円(税込)が標準的な価格帯とされています。
この料金には、人件費、車両費、処分費、清掃費などが含まれたパック料金が一般的です。
1DKという間取りは、ダイニングキッチンと1部屋を持つ物件で、広さにすると約20平方メートルから30平方メートル程度になります。
このサイズの物件では、荷物量にして1トン車から2トン車1台分程度が標準的な量とされており、作業員は2名から3名、作業時間は2時間から5時間程度で完了するケースが多いと言われています。
ただし、物価上昇や人手不足の影響により、2026年現在の市場では相場がやや上昇傾向にあります。
標準的な荷物量の場合で66,000円から165,000円が主流となっており、以前と比較すると全体的に価格帯が上がっている状況です。
また、単身者向け物件に多い1DKの特性上、高齢の方が一人で暮らされていたケースが多く、家族が離れて暮らしているために遺品整理を依頼するケースが増加している傾向があります。
なぜ1DKの遺品整理にこれだけの費用がかかるのか

1DKの遺品整理費用が50,000円から180,000円という相場になる背景には、複数の要因が関係しています。
料金が決まる仕組みと、価格変動の要因について詳しく見ていきましょう。
料金を構成する4つの主要コスト
遺品整理の料金は、主に以下の4つのコストで構成されています。
まず人件費が全体の約40パーセントを占めています。
作業員2名から3名が2時間から4時間作業する場合、この人件費が基本料金の大きな部分を占めることになります。
次に処分費が約30パーセントを占めています。
家具や家電、衣類など様々な遺品を適切に処分するためには、自治体の粗大ごみ処理や産業廃棄物処理の費用が必要になります。
近年は廃棄物処理コストも上昇傾向にあり、この部分が料金に反映されています。
そして車両費と清掃費で残りの約30パーセントを構成しています。
遺品を運搬するトラックの燃料費や維持費、作業後の簡易清掃などがこれに該当します。
これらのコストは税込表示が標準となっており、税別表記の場合は最終的な支払い額が想定より高くなる可能性があるため注意が必要です。
荷物量が料金を大きく左右する理由
同じ1DKという間取りでも、実際の料金には大きな幅があります。
その最大の要因が荷物の量です。
荷物が少なく1トン車で収まる場合は、66,000円程度から対応可能なケースもあります。
一方で、長年住まれていて荷物が多く2トン車が必要になる場合は、165,000円を超えることも珍しくありません。
特にいわゆる「ゴミ屋敷」状態になっている場合は、特殊清掃の加算で20パーセントから50パーセントの追加料金が発生することもあります。
例えば、一見普通に見える部屋でも、クローゼットや押入れに大量の物が詰め込まれている「隠れゴミ屋敷」のケースでは、88,000円を超える料金になることも報告されています。
建物の構造と立地条件も料金に影響
1DKの部屋がある建物の構造や立地条件も、料金に影響を与える要因となります。
エレベーターがある建物とない建物では、作業の負担が大きく異なります。
階段のみの建物で、しかも上階にある場合は、重い家具や家電を運び出す作業に時間と労力がかかるため、1万円から2万円の追加料金が発生することがあります。
また、建物の前にトラックを横付けできない立地の場合も、荷物の運搬距離が長くなるため追加料金の対象となる可能性があります。
駐車場から部屋までの距離が遠い、道幅が狭くて大型車両が入れないなどの条件は、見積もり時に必ず確認される重要なポイントです。
時期と依頼のタイミングによる価格変動
遺品整理業界にも繁忙期と閑散期があり、依頼時期によって料金が変動することがあります。
年度末や大型連休前後は引越しシーズンと重なるため、依頼が集中しやすく料金が高めに設定される傾向があります。
一方で、平日や即日対応が可能な時期は、業者側もスケジュールに余裕があるため、10パーセントから30パーセント程度の値引きに応じてもらえる可能性があります。
急ぎでない場合は、複数の業者に見積もりを依頼し、価格交渉をすることで費用を抑えられる場合があります。
実際の1DK遺品整理における具体的な事例

相場の理解を深めるために、実際の遺品整理における具体的な事例をご紹介します。
それぞれのケースで料金が異なる理由についても解説いたします。
事例1:標準的な荷物量で8万円台のケース
最初の事例は、70代の女性が一人で暮らされていた1DKの賃貸マンションでの遺品整理です。
部屋は3階にあり、エレベーター付きの物件でした。
家具は一般的なもので、シングルベッド、小型のテレビ台、ダイニングテーブル、衣装ケースが数個、そして日常の生活用品が中心でした。
この場合の料金は82,000円(税込)となりました。
作業員は2名で、作業時間は約3時間でした。
1トン車1台で荷物を運び出し、買取可能な品物は特にありませんでしたが、不用品の処分もスムーズに進みました。
この事例は、1DKの遺品整理として最も標準的なケースと言えます。
荷物が整理されており、特殊な清掃も必要なく、建物の条件も良好だったため、相場の中間的な価格帯に収まりました。
事例2:荷物が多く12万円台になったケース
2つ目の事例は、80代の男性が長年住まれていた1DKのアパートでの遺品整理です。
部屋は2階にあり、エレベーターはない建物でした。
この方は趣味で書籍を集めておられたため、本棚が複数あり、段ボール箱に入った本も大量にありました。
また、押入れには衣類や思い出の品が隙間なく詰め込まれており、想定以上の荷物量となりました。
最終的な料金は128,000円(税込)となりました。
作業員は3名で、作業時間は約5時間かかりました。
2トン車が必要となり、階段での運び出し作業に時間を要したことが料金が高めになった要因です。
ただし、書籍の一部は古書として買取してもらえたため、5,000円分が料金から差し引かれ、最終的な支払い額は123,000円となりました。
このケースは、荷物量が多く建物条件が厳しい場合の参考になる事例です。
事例3:ゴミ屋敷状態で18万円を超えたケース
3つ目の事例は、やや特殊なケースです。
60代の方が住まれていた1DKのマンションで、外見は普通でしたが、室内は長年の物の蓄積でゴミ屋敷に近い状態になっていました。
床が見えないほど物が散乱しており、台所やトイレも長期間清掃されていない状態でした。
また、食品の容器やペットボトルなども大量にあり、害虫の発生も確認されました。
この場合の料金は188,000円(税込)となりました。
作業員は3名に加えて、特殊清掃の専門スタッフが必要となり、作業時間は2日間にわたりました。
通常の遺品整理に加えて、害虫駆除と特殊清掃の費用が加算されたことが高額になった理由です。
また、廃棄物の量も2トン車2台分となり、処分費用も通常より高くなりました。
このような状態の部屋は、賃貸物件の場合は原状回復費用も別途必要になる可能性があり、総額ではさらに費用がかかることもあります。
事例4:荷物が少なく5万円台で収まったケース
最後の事例は、比較的費用を抑えられたケースです。
50代の方が短期間だけ住まれていた1DKの賃貸物件で、家具付き物件だったため個人の所有物が少ない状態でした。
衣類、書類、日常品が中心で、大型家具はほとんどありませんでした。
この場合の料金は52,000円(税込)となりました。
作業員は2名で、作業時間は約2時間で完了しました。
軽トラック1台で荷物を運び出せたことと、処分する物の量が少なかったことが低価格の理由です。
また、家電の一部は比較的新しいものだったため、リサイクル品として8,000円で買取してもらえ、実質的な支払いは44,000円となりました。
この事例は、1DKの遺品整理でも条件次第では相場の下限に近い価格で依頼できることを示しています。
事例5:遺品供養を含めたケース
遺品整理と合わせて供養を希望される方も少なくありません。
この事例は、90代の方が住まれていた1DKの物件で、ご家族が故人の思い出の品を供養したいと希望されたケースです。
基本的な遺品整理の費用は95,000円でしたが、これに遺品供養のオプションとして25,000円が加算されました。
合計で120,000円(税込)となりました。
供養では、写真や手紙、愛用の品などを専門の寺院に持ち込み、読経と焼却処分を行いました。
遺品供養のオプションは、業者によって1万円から3万円程度が相場とされており、心の整理をつける意味でも選ばれる方が増えていると言われています。
遺品整理の費用を抑えるための実践的な方法

遺品整理は避けられない出費ですが、工夫次第で費用を抑えることは可能です。
ここでは、実際に多くの方が実践している費用削減のコツをご紹介します。
複数業者からの見積もりで適正価格を知る
遺品整理の費用を抑える最も基本的な方法は、複数の業者から見積もりを取ることです。
同じ1DKの物件でも、業者によって料金設定は大きく異なることがあります。
最低でも3社、できれば5社程度から見積もりを取ることで、適正な価格相場を把握することができます。
また、見積もりを取る際は、必ず現地調査を依頼することが重要です。
電話やメールだけでの概算見積もりは、実際の作業時に大幅に料金が上がる「追加請求」のリスクがあります。
現地で実際の荷物量や建物の条件を確認してもらい、詳細な見積書を出してもらうことで、後からのトラブルを避けることができます。
見積書には、作業内容、人員数、作業時間、処分する物の内訳などが明記されているかを確認しましょう。
買取可能な品物を事前に把握する
遺品の中には、まだ使える家電や貴金属、骨董品などが含まれている場合があります。
これらの買取可能な品物を事前に把握し、買取サービスを併用することで、実質的な費用を下げることができます。
多くの遺品整理業者は買取サービスも提供しており、買取金額を遺品整理費用から差し引いてくれます。
一般的に買取されやすい品物には以下のようなものがあります。
- 製造から5年以内の家電製品
- 貴金属やブランド品
- 状態の良い家具
- 書籍やCD、DVD
- 趣味のコレクション品
ただし、買取価格は業者によって大きく異なるため、遺品整理と買取を別々の専門業者に依頼することも選択肢の一つです。
貴重品については、専門の買取業者に査定してもらった方が高値がつく可能性があります。
平日や閑散期を狙って依頼する
前述の通り、遺品整理業界にも繁忙期と閑散期があります。
土日祝日や年度末、大型連休前後は料金が高めに設定される傾向があります。
可能であれば、平日の依頼や、比較的需要が少ない時期を選ぶことで、料金交渉がしやすくなります。
また、即日対応が必要なケースよりも、数週間の余裕を持って依頼する方が、業者側もスケジュール調整がしやすく、値引きに応じてもらえる可能性が高まります。
急ぎでない場合は、「この日程なら安くなりますか」と業者に相談してみることをお勧めします。
自分でできる作業は事前に行う
遺品整理の費用は、作業量と作業時間に比例します。
そのため、自分でできる作業を事前に行っておくことで、費用を抑えることができます。
例えば、以下のような作業は専門業者に依頼する前に自分で行うことが可能です。
- 貴重品や重要書類の仕分け
- 形見として残したい物の選別
- 明らかなゴミの処分
- 衣類の整理と梱包
ただし、無理をして怪我をしたり、大切な遺品を誤って処分してしまったりするリスクもありますので、自分でできる範囲を見極めることが重要です。
特に大型家具や家電の運搬は、専門業者に任せる方が安全です。
不要な追加サービスを断る勇気を持つ
遺品整理業者の中には、様々な追加サービスを提案してくる場合があります。
ハウスクリーニング、特殊清掃、リフォーム、不動産売却のサポートなど、確かに便利なサービスですが、すべてが必要とは限りません。
本当に必要なサービスだけを選び、不要な追加オプションは断る勇気を持つことも、費用を抑える上で重要なポイントです。
特に賃貸物件の場合、原状回復は管理会社の指定業者で行う必要がある場合もあるため、事前に確認しておくことをお勧めします。
悪徳業者を見分けるための注意点

残念ながら、遺品整理業界にも悪質な業者が存在します。
大切な方の遺品を任せる業者選びでは、慎重な判断が求められます。
見積もり後の大幅な料金変更に注意
最も多いトラブルが、現地調査後の大幅な料金変更です。
電話で「1DKなら5万円程度です」と言われて現地調査を依頼したところ、実際には「この荷物量なら15万円になります」と言われるケースがあります。
このようなトラブルを避けるためには、見積もりは必ず書面で受け取り、「この見積額から変更はないか」を確認することが重要です。
また、見積書に「追加料金が発生する可能性がある場合」の条件が明記されているかもチェックポイントです。
良心的な業者であれば、どのような場合に追加料金が発生するのかを事前に説明してくれます。
極端に安い料金設定には裏がある
相場より極端に安い料金を提示する業者にも注意が必要です。
1DKで「3万円でできます」という業者は、軽トラック1台分の荷物に限定されていたり、作業時間に制限があったりする場合があります。
また、安い料金で契約を取った後、「これは追加料金です」「あれも追加です」と次々に費用を上乗せしてくる悪質な手口も報告されています。
相場から大きく外れた料金には、必ず何か理由があると考えるべきでしょう。
会社の実態を確認する
遺品整理を依頼する前に、業者の実態を確認することも大切です。
確認すべきポイントには以下のようなものがあります。
- 会社の所在地と連絡先が明確か
- ホームページに代表者名や会社概要が記載されているか
- 一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているか
- 遺品整理士の資格を持つスタッフがいるか
- 損害賠償保険に加入しているか
これらの情報が明確に開示されている業者は、信頼性が高いと判断できます。
また、口コミサイトやレビューも参考になりますが、極端に良い評価ばかりの場合は、業者による自作自演の可能性もあるため注意が必要です。
契約を急がせる業者は避ける
「今日契約してくれれば値引きします」「他の人も検討中なので今決めてください」など、契約を急がせる業者は避けるべきです。
遺品整理は大切な決断であり、十分に検討する時間を取るべきです。
良心的な業者であれば、依頼者が納得するまで待ってくれますし、無理な営業をすることはありません。
また、契約書の内容をしっかり確認する時間を与えてくれる業者を選ぶことが重要です。
1DKの遺品整理を依頼する際の準備と流れ
実際に遺品整理を依頼する際には、どのような準備が必要で、どのような流れで進むのでしょうか。
スムーズに作業を進めるためのポイントをご紹介します。
依頼前に準備しておくべきこと
遺品整理を依頼する前に、以下の準備をしておくことでスムーズに進めることができます。
まず、貴重品の確認と保管です。
通帳、印鑑、権利証、貴金属などの貴重品は、作業開始前に必ず確認して別の場所に保管しておきましょう。
次に、形見として残したい物のリスト作成です。
写真、手紙、思い出の品など、処分したくない物を事前にリストアップしておくと、作業員に指示しやすくなります。
また、建物の管理会社への連絡も重要です。
賃貸物件の場合は、遺品整理を行うことを管理会社に事前に連絡し、作業日や退去予定日を調整しておく必要があります。
さらに、近隣への配慮も忘れてはいけません。
作業当日は荷物の搬出で多少の騒音が発生しますので、可能であれば近隣の方に一言挨拶をしておくと良いでしょう。
見積もりから作業完了までの標準的な流れ
遺品整理の標準的な流れは以下のようになります。
まず、問い合わせと日程調整です。
電話やメールで業者に連絡し、現地調査の日程を決めます。
次に、現地調査と見積もりです。
業者が実際に部屋を確認し、荷物量や作業内容を把握した上で、詳細な見積書を提示します。
この時、疑問点は遠慮なく質問しましょう。
見積もりに納得したら、契約を行います。
契約書の内容をよく確認し、特に料金、作業内容、作業日、キャンセル規定などを確認してから署名します。
そして、作業当日を迎えます。
作業員が来て、残したい物と処分する物を最終確認した後、作業が開始されます。
1DKの場合、通常2時間から5時間程度で作業は完了します。
最後に、作業完了の確認と支払いです。
部屋の状態を確認し、問題なければ料金を支払います。
支払い方法は業者によって異なりますが、現金、銀行振込、クレジットカードなどが一般的です。
まとめ:1DKの遺品整理相場は条件次第で大きく変動
1DKの遺品整理にかかる費用相場は、50,000円から180,000円が標準的な範囲です。
ただし、この料金は荷物量、建物の条件、作業内容によって大きく変動します。
荷物が少なく条件が良ければ50,000円台で収まることもありますし、ゴミ屋敷状態や特殊清掃が必要な場合は180,000円を超えることもあります。
費用を抑えるためには、複数業者からの見積もり取得、買取可能な品物の活用、平日や閑散期の依頼、事前の簡単な整理などが有効な方法です。
また、悪徳業者を避けるためには、見積もりの透明性、会社の実態確認、契約内容の精査が重要なポイントとなります。
遺品整理は単なる片付けではなく、故人との最後のお別れの時間でもあります。
料金だけでなく、丁寧な対応をしてくれる信頼できる業者を選ぶことが、心の整理にもつながると考えられます。
適切な業者選びで安心の遺品整理を
遺品整理の相場を知ることは大切ですが、最も重要なのは信頼できる業者を見つけることです。
料金の安さだけで決めるのではなく、丁寧な説明をしてくれるか、誠実な対応をしてくれるかという点を重視して業者を選びましょう。
複数の業者に見積もりを依頼し、実際に話をしてみることで、その業者の姿勢が見えてきます。
故人の大切な遺品を任せるのですから、納得できる業者が見つかるまで時間をかけて検討することをお勧めします。
また、遺品整理は体力的にも精神的にも負担の大きい作業です。
無理をせず、専門業者の力を借りることは決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、プロの手に任せることで、故人の遺品を丁寧に扱ってもらえますし、ご自身の負担も軽減されます。
この記事が、1DKの遺品整理を検討されている方の参考になれば幸いです。
適切な相場を知り、信頼できる業者を選ぶことで、故人への感謝の気持ちを大切にしながら、新しい一歩を踏み出していただければと思います。